危険な愛を抱きしめて

 
 質問……!

 結局、コイツは、根堀り、葉堀り聞くのか?

 一体、何を、どこから、聞きたいんだ!

 と、身を硬くするオレに。

 ショコラは、にこっと笑って言った。

「……きみの名前を教えて?」

「……え?」

「扉の前で、拳を止めたときも。
 シャワーのお湯に、打たれていた今も。
 きみの名前を、呼んでやりたかったのに。
 ……聞いて無かったから」

 ……呼べなかったのよ……というショコラの優しい言葉に……一瞬。

 胸が詰まって、絶句した。

「……で?
 きみの名前は、なんて言うの?」

「………雪」

「ふふふ。出来過ぎの名前ね?
 雪の中で、出会ったから、そう呼ばれたいの?
 まさか本名とか言わないわよね?」

「……」

 ……なんで、このとき。

 由香里しか呼ばない、オレの呼び名を。

 コイツに名乗ったのか、なんて知らない。

 ただの気まぐれ……でなかったら。

 やっぱり相当、ココロにダメージを受けてた証拠に違いなかった。