危険な愛を抱きしめて

「ウソだ。
 ……女にしか、見えない」

 オレの言葉に。

 ヤツは、可愛く上目使いで睨んだ。

「……きみ。
 本当は、すごく意地悪でしょう?
 私のことが、本当に女に見えるなら、それで、良いじゃない」

「……だって、賢司……」

「ん、もう!
 だから、ショコラちゃん、だってば!
 これだけ喋れれば、大丈夫だと思うけどっ!
 きみ、さっさと服を全部、脱ぎなさいよねっ!」

「……え?」

「そんなに濡れた服を着たままじゃ、部屋にも上げられないし!
 冷たいカラダをそのままにしたら。
 凍死はしなくても、風邪を引くでしょうが……!
 着替えを出してあげるから。
 きみは、この場で服を脱いで、お風呂に直行!
 だから、さあ早く!」

 手がかじかんで動かないなら、私が脱がしてあげようか?

 ……とも急かされて。

 オレは、のろのろと、上着を脱ぎ……。

 シャツのボタンを外している所で、目を見開いているショコラの視線とぶつかった。

「……何?」

「きみのそれ……。
 ……キス・マーク?」

「……!」