言って、薫は。

 すばやくその巨きなカラダで、オレにのしかかって来た。

 そして、そのまま。

 ソファに押し倒して、オレの自由を再び奪う。

「……何すんだよ……!」

 今まで見たこともない、薫の異常な雰囲気に身の危険を感じて。

 かすれた声をあげれば。

 薫の張り手か飛んできて、オレの頬が鈍い音をたてた。

「るせえな!
 静かにしろ。
 由香里が起きるだろ?
 高い金を払ってくれたお前に、アフター・サービスをしてやるぜ」

「……なんだって!?」

「カラダが疼(うず)いて仕方がないんだろ?
 お前の大好きなSEXに付き合ってやるって言うんだよ……!
 この薬を飲んで、ヤると、天国に行けるとさ。
 男に引き裂かれても気持ちいいかどうか、後で教えてくれ。
 今後の薬販売の参考にするから!」

「……冗談じゃねぇぜ!」

「ああ、冗談なんかじゃない。
 お前が、ここに来た時に見た連中は、俺の客だし。
 新しい客の獲得には、これでも結構貪欲なんだ。
 俺の本来の好みは女だが。
 お前は、相当キレイだから。
 我慢すれば、抱けないこともないだろう?」

 そう薫は、鋭くほほ笑んだ。