危険な愛を抱きしめて

 
 部屋の中で『凍死』……!

 そんな、莫迦なことが、本当に起こりそうなくらい。

 普通では、考えられないほどの寒さだった。

 歯の根も合わないほどに、震え。

 判断力も、思考力も、がちがちに凍っていた。

 ただ少しでも温もりが、欲しくて、欲しくて。

『飲めば、すぐに暖かくなる』ともったいぶって頷いた薫から。

 財布をはたいて高価な薬を買った。

 その場で飲んだ。

 途端に。

 さっき飲んだ、ブドウジュースと同じ、薬の味を感じて、オレは目を見開いた。

「これは……!」
 
 薫に、だまされた、と思う間もなかった。

 今度は、身も凍るような寒さから一転。

 ものすごい欲望の熱を感じて思わず。

 由香里の眠る部屋に目が行った。

 と、薫が、オレの耳元でせせら笑う。

「……おっと。
 由香里には、もう。
 指一本触らせないぜ?」