危険な愛を抱きしめて

 
 だけども、アヤネのことは、本当に内々のことの上に。

 オレ自身が認めていねぇこともあって。

 知っている奴も限られているはずだった。

 村崎家とアヤネの九条家と。

 由香里と。

 あとは、風ノ塚が知っているか、どうか。

 性格からして、由香里と風ノ塚がたぶん、ヒトには話さないことを考えると。

 このタイミングて、話になるっていうことは。

 薫は誰から聞きやがったんだ!

「……バックレてんじゃないぜ?」

 薫は、オレのココロの動きを見透かすように、ますます低い声で言った。

「もう、結婚式の日取りも決まっているとかって、ハナシじゃないか?」

 ……は?

 ……ん、だよそりゃ!

「結婚式の日取り!?
 そんな、具体的な話なんざ、オレは聞いてねぇぜ!」

 思わず叫んだオレに、薫の目が細くなった。

「……音雪に、婚約者が別にいるって言うことは、認めるんだな?」

「……薫! それは!」

 薫に引っかけられた!

 そう、わかった時には、遅かった。

 オレは弁解に話す言葉も許されず。

 薫は、更に、たたみ込むように言った。