危険な愛を抱きしめて

 



 疲れて目を閉じた由香里の唇に。

 オレは、もう一度くちづけて、身なりを整えた。

 本当は、ただ。

 服の上から抱きしめているだけ、のはずだったのに。

 気がつけば。

 最後までしっかりやっている自分に気がついて、苦く嗤(わら)う。

 強く抱きしめれば、壊れてしまいそうな由香里は。

 キレイで、すごく魅力的だった。

 だけども。

 それだけが、抱く理由じゃないコトを、オレ自身がよく知っていた。

 由香里に、少しでも多く。

 長く。

 オレのことだけを考えていてほしかった……から。

 男の欲望より、なおも暗い感情に突き動かされていることは、判っていた。

「……悪りぃ……
 負担、かけてるよな……」

 思わずつぶやいたオレの言葉に。

 由香里は、眠りかけていた瞳をうっすらと開いて、ささやいた。

「……ううん。
 そんなこと……ないわ」

「由香里……」

 彼女は、消え入りそうなほど、かすかな声で。

 言葉を、続けた。