それでも。




 ……それでも、なお。



 オレは、由香里が好きだった。

 初めての相手にオレを受け入れる、と。

 決めてくれた時の由香里の涙を、信じたかった。

 オレがそのカラダを貫いたとき。

 名前を呼んで、抱きしめてくれた由香里の体温に。

 オレ自身もすがっていたかった。

 


「……由香里……」




 震える声で、名前を呼んでも。

 由香里は、たくさんの痛みと、初めての刺激に疲れて、はてて。

 しばらくは、眠るように意識がなかった。

 乱れた着衣をなおしてオレは、また。

 服の上から由香里を抱きしめる。