危険な愛を抱きしめて

 


 すげー、気になる。




 由香里は、ただ。

 店の隅で、一人。

 本を読みながら、ケーキを食べているだけなのに。

 静かな、その空間だけが。

 ケーキ屋の日常的な喧騒から切り取られて。

 まるで、絵を見ているみたいに、キレイだ。



 そんな彼女に触ってみたい、なんて考えるのは………

 ……いけないコト、なんだろうか?




 由香里に、いつの間にか、見とれていたらしい。

 使用済みのトレーで、軽く。

 ぱこっと風ノ塚に頭を殴られて、ようやくオレは。

 自分の手が、止まっていることに気がついた。