危険な愛を抱きしめて

「……ん、だよ、こりゃ!
 なんの仮装だよ!」

 マントみたいに、無駄な布地をゴテゴテにつけた服をばさり、となびかせて抗議すると。

 風ノ塚は、にこにこっと笑いやがった。

「ですから~~
 ケーキ屋の制服で」

「ウソをつけ!
 他のバイトのヤツとだいぶ違わねぇか?」

 オレの抗議に、風ノ塚が笑う。

「いいんです~~
 村崎君が、その格好をして、店舗の方をうろうろとしていただくと。
 ケーキの売り上げも、アップ~~
 みたいな~~」

「なんねーよっ!」

「そうですか~~?
 でも、なんか感触的には、良さそうですよ~~」

 ホラって、風ノ塚が指差した先には。



 ……ケーキ屋にいる、女の子たちが、一杯。

 オレを、うるんだ目で見てやがった。

「ね~~?」

 それを見たのか。

 風ノ塚も、満面の笑みをたたえて、人差し指を振った。

「ね~~? じゃねぇぜ。
 勘弁してくれ。
 オレは、こんな派手な服は嫌いなんだ!
 それに、あんたも一流のパティシエなんだから!
 こんなコトで客寄せしないで、ケーキ一本で勝負しろよな!」