あれから、オレは結局。

 風ノ塚のケーキ屋で世話になることになった。

 ついでに。

 風ノ塚に教えて貰うコトばかりで、ヤツの仕事を邪魔ばかりしている自覚があったから。

 店の手伝いをする分、風ノ塚が出すって言ってたバイト代を拒否したのに。

 ヤツは、オレが通うコトに決まった製菓子の専門学校の入学金を勝手にぽぃ、と自分で払って行きやがった。

 そのことに驚いて。

「いくらなんでも、それはマズい」と言ったら。

 風ノ塚は、人気のないロッカールームに、オレを連れ込んだあげく。

 いつものにこにこ笑いを、にやにや笑いに変えて言いやがったんだ。

「いいんです~~
 村崎君には、そのキレイなカラダを。
 僕のために使って、いただきますから~~」

「……は?」

 風ノ塚の、妙に意味深な言葉に驚いている間にヤツは、オレの着ている服を脱がしにかかる。

「ち……ちょっと待て……!
 あっ……そんなっ……おぃ……!」

 風ノ塚やめろ! って言う、オレの必死の叫びは。

 情け容赦ない風ノ塚の手際の前に、空に溶けて消えた。