……次に気がついたとき。


 オレは、薄闇の中にいた。


 夜明けか。

 夕暮れかわからねぇ。

 夜と昼との狭間の時間。

 オレは。

 細い道を、たった一人で歩いていた。

 丸太を半分に切っただけのような、体育の授業で使う平均台みたいな道だった。

 今まで、危ういバランスをとりながら歩いていたから。

 足もとばかり見てて周りの風景を見る余裕なんざなかったが。

 ふと、顔をあげて前を見れば。

 地平線の果てまで続く、気の遠くなりそうなほど、長げぇ、道だってことがわかった。

 そして。

 目の当たりにした周囲の景色に。

 オレは、立ちすくんだ。


 その美しさと。






 ……恐怖に。