危険な愛を抱きしめて

 その、心配そうな声色に、オレは何でもないと、肩をすくめて見せた。

「大丈夫だ。これくらい。
 あっという間にかたずけてやるから。
 由香里はおとなしく、オレにかばわれとけ」

 何もわざわざ、あんた自身が拳をふるわなくたっていいだろ?

 オレの大切なお姫様。

 風ノ塚みたいに、あっさりとはやられねぇ。

 頼れるナイトは、ここにいるんだから、さぁ。

 言葉にしたら、赤面もののココロの声を、由香里は、どこまで理解したんだろう。

 由香里は、小さく、はかなげにうなづいた。

「……うん
 ……ごめんね……?」

 うぁ。

 ……かわいい。

 由香里も、毎回こんな感じだったら、いいんだけどな。

 思わずほころんだ口元を見てか、男たちが耳障りな声で怒鳴った。

「てめぇ、女の前でにやけやがって!
 顔だけはいいからって、調子に乗ってんじゃねぇぞ!」

 今、仲間がやられたのは不意打ちだったからだ!

 なんて、負け犬みたいに遠吠える。

 ……ばかたれ。

 ヒトを見かけだけで判断するなんて、なんて底の浅いやつ。

 ま。

 だから、あんたらは。

 いい年のくせに、こんな街でチンピラなんぞやってるんだ。

 オレは鼻で笑って言った。

「悪いな。
 オレには実力もあるんだ」