危険な愛を抱きしめて

「そうだ。
 量を守って、少しずつ減らしてゆけば、完全に薬を止められる。
 ……しかし。
 一度に飲めば、十回は死ねる、量だ」

 言って、薫は、オレを見た。

「……これを置いて、俺が消えても……
 お前は、ちゃんと生きて、暮らせるか?
 俺が、再び現れるまでに薬を抜いておけ、とは言わない。
 ……勝手に死なずに、普通の暮らしをしてゆけるか?」

「……判らない……と言ったら……?」

 由香里が死んで。

 あんたのやっている事に、意味がなくなったのと同じように。

 オレだって、積極的に生きる意味は、無いんだ。

 ……死。

 死んで、由香里と一緒に逝けるのなら。

 そんな甘い誘惑が、簡単に手の届く所にあるのなら。

 ……オレは、きっと……