「たとえば実際男と付き合ってみるとか。二人きりで出かけたりしたら少しは慣れるんじゃない?」

沙希はあっさり言うけれど……。

「その相手がいないんだけど」

「花乃に相手がいないのは意識した相手と上手くいかないからでしょ? だったら意識していない男と付き合ってみれば? 花乃だって告白された経験はあるでしょう?」

「まあ……何回かは有ったけど、私は好きになれそうにない相手だったよ?」


いくら相手がいないからって気が乗らない相手とは付き合えない、そんな気持ちで付き合うなんて相手に対しても失礼だし。


「そんなこと言ってる場合じゃないよ、本当に彼氏が欲しいなら、ありとあらゆる努力が必要なんだよ!」


沙希は真剣な目で力説する。
でもしょっちゅう彼氏を変えている沙希は大して努力をして無い様に見えるんだけど。