「……何?」


素っ気無く言っても大樹には全く通じない。ニコリと笑って楽しそうに言う。


「一緒に行こう」

「なんで? 一人で行きなよ」

「行き先同じなんだからいいじゃん」


いいわけない。
大樹は良くても私は嫌だし。


でも嫌味を言って通じない。
言うだけ無駄だってのも分かってる。


冷たくしたって全然気付かないで、いつも、ヘラヘラニコニコなんだから。


昨日タルトを問答無用でつき返した事、実は少し気にしていたけど、無駄な心配だったみたいだ。


大樹は何も気にしてないんだ。


黙って黙々と歩いていると、大樹が私の顔をひょいと覗きこむ様にして言った。