それ以降、私は近藤君に近寄らなかった。


廊下ですれ違っても、それまでの様にウキウキと尻尾を振って話しかけたりしなかった。


話したら顔も耳も赤くなってしまうのが分かっていたから。

周りのみんなに気持ちを、知られてしまうから。

もうあんな恥ずかしい思いはしたくない。


傷付きたくない。


そんな気持ちがどんどん強くなり、それからの私は感情を表に出さない努力をする様になった。


それは少しずつだけど、効果が有ったのか、中学校を卒業する頃には近藤君と話しても顔は赤くならなくなっていた。


ほっとしたけど、でもその事件以来私は大樹が大嫌いになった。


デリカシーの無い、嫌なやつとしか思えない。
あんなシャレにならない嫌がらせをして来るなんて、性格が悪いにも程がある。


昔の事を未だに引き摺っているのもどうかと思うけど、今でもその時の気持ちは忘れられない。


大樹とはかかわりたくない。
当然、仲良くなんて出来ない。


でも家は隣だから完全に会わない様にするのは難しくて……。