「ありがとう大樹」

私との思い出を忘れないでいてくれて。

ずっと想ってくれていて。

だから私は今こんなに幸せでいられる。


「……俺は花乃が花乃らしくしていてくれたら一番嬉しい」

「え?」

「だから慣れてないとか上手く振舞えないとかもう気にしないで。不安な事が有ったら俺に言って。一人で悩んだりしないで、花乃にはいつでも笑顔で居て欲しいんだ」


大樹は切なそうに言う。

それは私の心にも伝わって来て、幸せな涙となって頬を伝っていく。


私は私のままでいいんだ。

大樹の前なら顔が赤くなっちゃっても、恋愛に慣れてなくてもそれでいいんだ。


私は大樹に頷いてから言う。


「大樹が一緒に居てくれたら私は笑顔でいられるよ」

「花乃……」


大樹の手が私の頬にそっと触れる。

切なそうな目をした大樹は、そのまま私に顔を近づけて来て、ひんやりとした唇をそっと重ねた。


私は突然の事にビクリと身体を震わせ大きく目を見開いて……多分真っ赤になった顔で大樹を見つめる。


「花乃、愛してる」


大樹はそう囁くと今度は私の身体を強く抱き締めて、一度目よりずっと激しいキスをした。