当時私は、隣のクラスの知的メガネのイケメン近藤君が好きで、何かと話しかけたりちょっかいを出していた。


用も無いのに隣のクラスに出向いて、仲良い女子に話しかけつつ近藤君の様子をチラチラ見ていた。


運が良いと話せるときも有って、私は毎日隣のクラスに行くのが楽しみで仕方なかった。


まさに初恋。
初々しくて、真剣だった。


そんな風に毎日ドキドキして充実していたんだけど、有る日大樹が発した一言でそれは呆気なく終わりを告げた。


お昼休みにいつもの様に隣のクラスを訪れ、窓辺の近藤君の席に近付きうきうきしながら話しかけていた私に大樹は言った。


「お前、近藤に会いにうちのクラスに来るんだろ?!」


大樹の声は元々よく通るから、その発言は教室内に響き渡った。