「行こう」

大樹は自然な動きで私の手を取る。

手を繋いで出勤なんていいのかな?

こういう事に慣れてない私は慌ててしまう。

人目も気になるし、朝からイチャイチャしているカップルを見て、有りえないわーと呆れていた方だから。


でも、恋をしているからか繋いだ手が嬉しくて、私から離す気になんてなれなかった。


こうやって大樹が隣に居る事が幸せだって思う。

大樹も私を好きだって思ってくれて、凄く幸せだって思う。


ラッシュの車内でも大樹は私が辛くならない様に庇ってくれる。

今までも楽だったけど、それはずっと大樹が守ってくれていたからなんだ。

そう気付くと大樹が凄く頼り有る男の人に見えて来て、私の熱は増すばかり。


この気持ちの変化は自分でも驚くくらいだ。




出社すると結構仕事が溜まっていた。

未読のメールはどっさりだし、机の上には書類が山盛り。

その中にクレーム報告の書類を見つけて朝一番から凹んでしまう。

でも落ち込んでばかりはいられない。

とにかく昨日休んで遅れを取り戻す為に頑張らないと!