「花乃、部屋に行こう」

「あ、うん」


大樹に支えられて2階の自分の部屋へ行く。

扉を開けて部屋に入ると、大樹は私をそっとベッドに座らせてくれた。


「寝た方がいいけど、着替える?」

「うん」


オフィス用のスカートじゃゆっくり休めない。


「着替え手伝おうか?」


大樹が悪戯っぽい笑みで言う。


「は? い、いらないよ!ちょっと向こう向いていてよ」

「なんだ残念」


大樹はそう言いながらクルリと私とは逆の方向を向く。

私は大急ぎでパジャマを取り、着替えをする。

いくら見ないでくれているって言っても、同じ部屋に大樹がいる状況での着替えってすごい緊張する。


なんとか終えて声をかけると、大樹がクルリと振り向いた。


「じゃあちゃんと寝て」


大樹に促され、私は大人しく布団に入る。

あ……横になると本当に楽だ。

ホッとしていると大樹が言った。


「昨日は元気そうだったのにな……今朝からおかしくなった?食欲も無いみたいだけど」

「……多分寝不足だからだと思う。私夜更かし慣れてないからね