奏汰が病気ってこと

誰も知らない


奏汰は、人前で辛い顔しない


旅行に行ったときも


大学の講義なんて、辛いでしょ?


だけど、休まない


残りの命をちゃんと使う


奏汰をもっともっと生かしたい


シェアハウスに戻るように言われてから

日曜日のsunriseが、あたしと奏汰の時間


あたし達は、たくさん曲を作った


帰るときは、いつも手をつなぐ


シェアハウスまでの道のり


あたしにとって、この手の温もりは


愛よりも特別なもの



梨花がシェアハウスを出てから、実家暮らしだった陽太を誘った


子犬みたいな顔して、陽太は猛獣のように

いつも、あたしに噛みつく


あたしは、ちょこちょこ具合が悪くなるから


「お前…どっか、悪いんじゃねぇ?」


陽太があたしを心配するなんて

気持ち悪い




少し寒くなってきたからかな

あたしは、発作を起こして

陽太に病気がバレた



奏汰とあたしの関係を否定され

陽太と喧嘩になったけど



それを止めてくれたのは、浩一君だった



応援する



そう言ってくれた


力になるって言ってくれた



今、あたしの頭の中は、奏汰でいっぱい


なのに、浩一君が味方であたしの背中を押してくれる

そう思っただけで


あたしは、力が漲る


単純もいいとこ


まだ、浩一君が好きだなんて


しかも、それを陽太に気づかれていたなんて、あたしってわかりやすい?



~sunrise~



「奏汰…陽太に病気バレちゃった」

「そっか、陽太も医者のタマゴだから
安心だね」

「そうじゃなくて」

「ん?結の味方が増えて、俺は嬉しいよ」


そんなに、ニコニコされたら、愚痴も言えない


「結、クリスマスのこと聞いた?」

「promiseのライブでしょ?」

「シェアハウスのメンバーと来るよね?
会場で会おうな!」

「うん!お客さんとして、promiseを見るのって初めてだよね?」

「そういや、そうだな」


すごく楽しみにしてたのに……