「おい、幸。結婚するぞ。」







彼にそう告げられたのは今から2年ほど前の事になる。


幼なじみだった彼。――笹倉 秀弥はいわいる障害者である私を偏見の目で見ることもなく、普通に接していてくれた。

幼なじみだったので小さい頃から私が車いすに乗っていることは、たいしたことではなかったらしく、むしろ当たり前という感覚があったようだ。


けれど、やはり歳を重ねるごとに"障害者"
という言葉は知ってくるだろうし

私がそれに分類されるということもわかってきて、疎遠になっていくものだと思っていたのだけれどそんなことはなく

一番障害者の友達がいると言うことがばれたくない思春期ですら普通に接していてくれたのだ。

そして、そんな彼に私が惹かれないことは
なく、あっという間に好きになってしまったのだった。