でもでも!!

好きな人に『可愛い』って言われて
嬉しくない女の子なんていないでしょ?



それに―――…





「菊井、ガムちょーだい!」

ドキーン!!


「う、うん!ちょっと待っててね!」

高鳴る鼓動を抑え、精一杯の笑顔で神楽くんに答えたあたしはカバンの中からガムを探す。


「あ、あった!はい!」

「さんきゅー!」

神楽くんの眩しい笑顔があたしに注がれる。



きゅーん、って心臓が甘~い痛みを伝えてきて今にも幸せが溢れ出そう!



「…ダメだわ、この子。」

なんて、玲の言葉は
今のあたしには聞こえない。

あ~っ、この幸せを誰かに分けてあげたい!!


菊井さん、から
菊井、って呼び方も変えてくれて。

なんだか、前よりもすんごく近づけた気がする。



毎日きゅんきゅん、あたしの心臓は忙しい。



とにかく、幸せなんです。
どーしよ!!