「玲、おはよ!」

そう言えば、ここのところ色んな事がありすぎて
こうして玲に会うのも久々だった。


たまに連絡を取り合ったりしていたけれど
バイトを辞めた事は、まだ話していない。


玲は何て言うかな…。

『ほら、言ったじゃない!』って言われるんだろうな。



そんな事を考えながら、自分の席にカバンを置いて
玲に視線を向けた。

だけど、彼女の目線の先は窓の外に向けられていて。



…………?



「…玲?」

返事が返って来ない事に、首を傾げながら玲の目の前で手を振ってみる。


その瞬間、はっと顔を上げた玲は

「あ…、ごめん!」

ようやくあたしに気が付いてくれた。



「どうしたの?何か考え事?」

「あー…、うん、」


言葉を濁しながら、あたしの問い掛けに答える。