「バイト?ああ、全部辞めると伝えておいた。勿論、キャバクラもな。」
辞めると伝えておいたって…
そんな勝手な……!!
「俺の婚約者においてアルバイトなどする必要はない。現に、借金は返済しただろう。」
確かに、借金を返済した今、この家にお世話になってるしバイトをする必要はない。
就職活動もまた再開しないといけないけど、もう手当たり次第に探す方法はやめよう。
そんなこと言ってる場合じゃないけど、心から就きたい会社じゃなきゃ私はきっとすぐに駄目になる。
こんなままじゃ、大学に入学させてもらった意味がない。
ちゃんとしっかりしなきゃ……
「すぐに支度しろ。30分後には出るからな。」
そう言い残した一ノ瀬司は書斎に入ってしまった。
え……30分後には出るって
会社に私も行かなきゃいけないの!?
とにかくパジャマから着替えないと。
わたしはとりあえず部屋に戻って着替えることに。

