「だからって勝手に鍵開けて入って来る人がいますか!!」
私、一応女なんだけど……
女として認識されてない!?
「何を拗ねている。お前が中々起きてこないから強硬手段だろ。いつまで寝てるんだ、この阿保が。」
時計を見ると、8時を過ぎた頃だった。
ああ、すっかり紗栄子のアパートで夏休み気分を満喫していたから悪い癖がついたみたい。
社会人ならとっくに出社時間を過ぎている。
でも、私はまだ夏休みの学生だしバイトも昼からだし……
何で一ノ瀬司に巻き込まれてるの!?
もしかして、嫁なんだから朝メシぐらい作れってか!?
でも、約束事はないはず……
「何ボケっとしている。さっさと起きろ。今日は一緒に会社へ来てもらうからな。」
なんて、一ノ瀬司は私の腕を取って
ベッドから引きずり下ろした。
「一緒に会社って、どういうことですか?私、お昼からバイトが……!」
強引にベッドから連れ出されるが、私はパジャマ姿のままで。

