「ゲストルームにはシャワーもトイレも付いている。好きに使え。」
シャワーにトイレ……
ここはホテルですかい。
それにしても、お風呂が一緒じゃないならちょっと安心かも……
ホッとしている私を見て、一ノ瀬司は容赦無く冷たい視線を向ける。
「言っておくが、会長は本当にお前が婚約者になったと思っている。この偽装結婚を知っているのは、俺とお前、そして古賀だけだ。これがもし他にバレたらどうなるかわかるか?」
偽装結婚を知っているのは、一ノ瀬司、私、古賀さんのみ。
もし、バレたら?
想像するとゾッと背筋が寒くなった。
「え…えっと…どうなっ」
「もちろん、この世界には居られないだろうな。」
け、消されるの、私!?
思わず、震え上がる。
「それか……お前には正式に婚約者となって籍を入れてもらう。」
ああ、そっちの方が安心……
って、なるかぁ!!
「……それだけは、嫌です。」
この俺様強引で鬼みたいな人と籍を入れる!?
そんなの、絶対嫌っ!!
ある意味消された方がマシだよ……

