シャー!!!っとユキちゃんは低い声を出して私をキツく睨みつける。
今にも、一ノ瀬司の腕から私に飛びかかりそうな勢いだ。
もし、言葉を話せるのなら
「私の司に近寄らないでくれる?」
とでも言いそうだ。
その姿はまるで、彼女のよう。
わ、私……あからさま敵対視されてるよね……
キッと睨み付けていたユキちゃんだけど、一ノ瀬司に撫でられ機嫌を取り戻したのか喉を鳴らして擦り寄っていた。
古賀さんは仲良く出来るって言ってたけど……
何だか無理そう。
ユキちゃんをソファーに降ろすと、ニャーと寂しそうに鳴く。
相当、ご主人様のことが好きなんだ。
私だったらこんなご主人様なんて……
「おい、何ボケっとしている。聞いているのか。玄関入ってすぐのゲストルームを使え。」
ボケっとって……一言多いのよ!
はい、はい…ゲストルームですね……
ゲストルーム!?そんなのも完備してるの!?
恐ろし、一ノ瀬邸……

