【梢side】
やけに冷房が効いた都内のお洒落なカフェで
私は思わずアイスティーを持つ手を滑らしそうになった。
「…………え?な、何て…?」
「だから、悪い。俺と別れて欲しい。」
洒落た丸テーブルの向かいには頭を下げる彼氏の陽介(ヨウスケ)
あまりにも突然で私の頭はパンク寸前。
「どうして……わ、悪いって何が…?」
嫌な心臓の音がする…
絶対何かの間違いだ。
だって今日の朝だって一緒に起きて
いつもと同じくおはようのキスして…
いつもと何も変わらなかったのに。
ねぇ、冗談でしょ?
「悪い……他に、好きな人がいる」
お願いだから、嘘だって言ってよ。