「そうか、君が安藤梢さんだね。私は一ノ瀬総一郎、司の父です。」 一ノ瀬総一郎…… 司のお父様!? 私の背筋はとっさに伸びる。 「すみません、気付かなくて…私…!す、すぐに司さんをお呼びしま……」 「いや、その必要はない。用があるのは貴方の方だ。一度、ゆっくりとお話をしたいんだが……どうかね。」 受話器の向こうから和やかな声が聞こえてくる。 断る理由なんてなくて、私は二つ返事で承諾した。 「司本人には私と会うことは内密に頼むよ。」 一ノ瀬総一郎さんは静かに言った。