「梢は今、好きな人…いるんだな。」 ブライダルベールを見つめていると、不意にそんな声がかかる。 「……いな、いない…よ。そんな人。」 「じゃあ、俺がやり直そうって言ったら?」 返事をする間もなく後ろからそっと抱きしめられる。 「もう一度、俺と……一から始めてくれませんか。今度は絶対離したりしない。」 懐かしい香りが鼻を掠める。 私の好きだった香り。 回された腕に私はそっと手をのせた。 . . . .