「何その反応〜〜怪し〜〜」
「ちょっ、やめてよ!違うから!あんな冷酷非情な男っ!!」
ないない!絶対ない!!
だって、あの人は契約を結んだだけの仲で……
「表は完璧で優しい御曹司気取ってるけど、化けの皮剥がしたら血も涙もない鬼だよ!!冷たいし、すぐ阿保阿保言うし、子供扱いばっかりだし?私はもっと……っ!」
「はいはい、相当好きなのね。彼のこと。」
なんて、紗栄子はイチゴのパンケーキを一口パクリ。
「だからっ!違うってば!」
「梢は歳上で、ちょっとドSぐらいの人が合うんだって。私はお似合いだと思うよ?」
ちょっとドSって……
あの御曹司はちょっとどころじゃ……
「それとも、まだ陽介さんが気になる?」
「それは……」
ない、とは完全言い切れないけど。
「初めての人って、そう簡単に忘れられないよね。私も高校のときに初めて付き合った人は忘れられないよ。」
どこかでふとしたきっかけで思い出してしまう。
でも、私は?
そんなに陽介のこと思い出してた?

