「就職、本当は決まってないんでしょう?」
イチゴのパンケーキを目の前に真剣な顔をして話す紗栄子。
「き、気づいてたの……?」
「合コンのとき。もしかしたらって思って。それにあのときの一ノ瀬さん、梢が面接遅刻して受けれなかった一ノ瀬グループのご子息でしょ?何か関係あるのかなってちょっと気になった。」
やっぱりあのとき怪しく思われてたんだ……
「ちょ、ちょっとね。色々あってお世話になってるっていうか……」
「そっか。でも一ノ瀬さんなら安心ね。2年前のセミナーも丁寧で優しかったし……ってあんたは夢の中だったっけ?」
もしかしたら、司と2年前会ってたかもしれないってことだよね?
でも、寝てて話聞いてないとか最低だよね。
というか、セミナー自体の記憶がない。
なんて司には言えないから黙っておこう。
「あのさ、あのとき思ったんだけど……梢って一ノ瀬さんのこと好きなの?」
「……ブッ、アチッ、えぇっ!?」
お陰様で熱いカプチーノで舌を火傷。

