sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜






この女……正気か?


真っ赤な顔で目を瞑ったまま寝息を立てる。



「………りんごか。」



そのまま放置するわけもいかず……




「……ったく、しょうがねぇな」



そっと、抱き上げると、う〜んと唸る。


中年のおっさんかこいつは。



部屋まで連れて行き、ベッドに降ろし布団をかける。

相変わらず、人の気も知らず幸せそうな顔で眠っている。



「阿保な上に、酒癖も悪いとはな。」



ギュッと頬をつねると、またふふっと笑みを浮かべる。


随分、間抜け面だな。




「………おやすみ。……梢。」



そっと静かに手を離し、部屋を後にした。