………えっと。
固まること数秒。
状況を理解した私は咄嗟にお皿を背中に隠した。
だけど、司がそれを見逃す訳もなくて。
「肉に目が眩んだか。見知らぬ男に尻尾振って随分懐いてるようだな?」
し、尻尾!?
私は人だと認識されてないって!?
「尻尾なんてないし、振ってもないよ!ただローストビーフが私を呼んでいるっていうか…その…」
「……何を言っている。意味が分からん。ちゃんと日本語を喋れ。」
冷たい瞳が容赦無く私を睨み付ける。
「だから、夜風に当たってた時に相園さんがどうぞって私に料理を…」
「飲み食いするなと言ったことを忘れたか?それに見知らぬ男に渡された料理を何の疑いもなく食うとは完全なるド阿保だな、お前は。」
ど、ド阿保!?
「勝手に食べたことはすみません。でも何もそこまで言わなくたって…!」
「気に食わん。顔を近づけヘラヘラしよって。お前は何も知らんだろうが、この男は浮ついた言葉を並べ女を弄ぶ下劣な奴だ。」
司は相園さんから私を遠ざけるようにして肩を引き寄せた。

