「君は確か……さっき一ノ瀬の御曹司の隣にいた子だよね?」
立ち姿だけでも絵になる男性は私の目を見つめ問う。
「……はい。そうですが…」
もしかして、この方も一ノ瀬グループに関わりのあるお方?
まだ挨拶に行っていない相手なのかも!
「ちょ、ちょっと失礼します!」
私は失礼承知の上、後ろを向いて手帳を開く。
えっと……どのお方だろ…
慌ててページを捲っていると、細長く綺麗な指が目の前に現れる。
「相園 誠二(アイゾノセイジ)。これ、俺ね。」
そう言って、彼はあるページを指差した。
相園……誠二さん。
34歳。相園モータースの若き社長。
相園モータースといえば世界でトップのシェアを誇る自動車メーカー会社だ。
「年齢までご丁寧に記載しちゃって。さすが一ノ瀬の坊ちゃんだよ。でも、もっと映りのいい写真使って欲しかったな〜」
なんて、相園さんは手帳をチラッと見てイタズラに微笑んだ。

