まさか、聞かれてた!?
恥ずかしさに慌てて振り返ると、グラスとお皿を片手に持った長身の男性がにこやかな表情で立っていた。
どこかの御曹司だろうか。
端正な顔立ちに、モデルみたいなスタイル。
まるで俳優さんみたいな男性は振り返った私を見つめ微笑む。
「よかったらどうぞ。って言っても俺はここの主催者じゃないんだけどね。」
なんて、オシャレに料理が盛り付けられたお皿を私の前に差し出す。
司には飲み食いしてどうする、なんて言われたけど……
ろ、ローストビーフが私を呼んでいる…気が。
いいよね?ここじゃ誰も他に来ないだろうし……
お昼も食べれなかったし……
いいよね?ちょっとぐらい……
「…い、いただきます……」
結局、目の前のご馳走に目が眩んだ私は男性からローストビーフがのったお皿を受け取ってしまった。
ローストビーフを一口食べると、思わず笑みが浮かんでしまう。
美味しい……
さすが、一ノ瀬グループのホテルシェフだよね〜。
もぐもぐ気にせず食べていると、目の前の男性がフッと笑う。

