「これから一ノ瀬を背負っていく者として、孫の司、そして梢さんを温かく見守って頂けると幸いでございます。どうぞ宜しくお願い致します。」
最後は会長さんの言葉で締められ、婚約者発表は終了。
次々と料理が運ばれ立食形式のパーティーが始まった。
オシャレで豪華な料理に目を奪われていると、腕を引き寄せられる。
「勝手にフラフラするな。行くぞ。」
顔を上げた瞬間、司が強引に私の手を引いていく。
「お、お腹空いちゃって……お昼も食べてないし…ってちょっと!」
「腹が減っただと?主催側が飲み食いしてどうする。立場を弁えろ。あと、これをよく読んでおけ。」
彼は私に皮の手帳の様なものを渡すとズンズン手を引いて歩いて行く。
皮の手帳を開くと、多くの顔写真と名前、企業名などがびっしりと記載されていた。
プロフィール……的な?
そして私を連れてやってきたのは、白い髭が似合う品格の良い60代過ぎの男性の元だった。
「お久しぶりです、党乃さん。この度はご出席有難うございます。」
司は営業スマイルでにこやかに挨拶をする。

