「つかぬ事をお伺いしますが、安藤 梢さんはどちらのご令嬢であられますか?」
カメラを構える多くの記者の一人がレコーダーを前に突き出した。
何と答えるのだろうかと不安に見つめるも、彼はどうってことなさそうで。
「彼女は一般家庭の長女です。政略的に婚約したのではなく、夫婦として今後共に歩んでいきたい人は自分で選びたいと伝え、私は彼女を選びました。」
思わぬ司の言葉に来客者たちが騒めく。
そりゃ、驚くのも無理はない。
大企業の御曹司の相手が一般人じゃね。
でも、散々お稽古事を習わせたのはなんだったんだろ。
「それは政略結婚ではなく、つまり恋愛結婚ということですか?」
多くの記者が一斉に声を上げる。
「……誰に決められるのではなく、私は心から愛する者と一生寄り添っていきたいと思っています。未熟な二人ではありますが、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。」
司が頭を下げたと同時に私も頭を深く下げた。
騒ついていた会場も落ち着き、私たちに大きな拍手を送ってくれた。

