恐る恐る顔を上げると、呆れ切った彼の顔が。
「司でいい。今日からは他の目もある。真っ当に婚約者として振る舞う気があるなら不自然な敬語もやめろ。」
司でいいって、呼び捨て!?
「い、いや、さすがにそれは……司さんは歳上だし……その……ご子息だし……」
「何だその言い訳は。さんを付けると呼びにくいだろう。俺はお前を思って呼び捨てでいいと言っている。」
確かに司さんだと"さ"が重なって呼びにくいんだよね。
「じゃあ………つか、さ…?」
ボソッと出た彼の名前になぜか頬が熱くなる。
「じゃあ、とは何だ。ちゃんと呼べないのか。」
ちゃんとってそんな急に……
あ〜〜もうどうなったって知らない!
「……つ、つか、司っ!!」
思い切って口を開いて、名前を叫ぶようにして言うと彼は呆れたように微笑んだ。
「まあ、合格でいい。」
そっと私の手を取り、パーティー会場までエスコートするように連れて行ってくれる。
さっきまでとまるで別人。
いつもこうだったらモテるのに。

