「何だ、この倉庫みたいな部屋は。こんな所で生活していたのか。」
思い出にふけっていると、後ろからそんな声がして。
振り返ると、腕を組んで部屋に入って来る一ノ瀬司がいた。
襖の入り口は高さが低く、その長身には少し窮屈そうで。
「倉庫って……前まではちゃんと綺麗にしてましたから!」
本当、一々失礼な人だよ。
一ノ瀬司は物珍しそうに私の部屋を見渡す。
そんなに庶民の部屋が珍しいですか?
皮肉たっぷりに見つめると、何かを見つけたようで。
「これは卒業アルバムか….?」
彼は本と一緒に棚に並べられていた紺の分厚いアルバムを手に取ると、ベッドの上に腰を下ろす。
「ちょっ、何勝手に……!」
咄嗟に手を伸ばすが、物が多いせいで私は大袈裟に転ける。
「ほう、間抜け面は今も昔も変わってないな。」
なんて、小馬鹿にしたように笑う。
何でこんな目に……!
「か、返してくださいっ!」
ベッドの上に上がりもう一度手を伸ばすも、ひょいっとかわされてしまう。

