思い切って呼び鈴を押すと、奥からお母さんの声が聞こえてくる。
やがて、勢いよく開いた扉。
「あら〜いらっしゃい!よく来たわね。」
笑顔を浮かべたお母さんが出迎えてくれる。
その後ろから翔太も出てくる。
「え、もしかして姉ちゃんの隣にいるのって例の彼氏!?すげぇイケメンじゃん!!姉ちゃんやるな!」
なんて、翔太は私の肩を大袈裟に叩く。
翔太には電話で彼氏の家に住んでるって嘘吐いちゃってたんだよね…
まさか、一ノ瀬の御曹司に厄介になるだなんてあの時は考えもしなかったけど。
ふと、隣を見ると一ノ瀬司は至って普通で何ともないような表情だった。
「初めまして。一ノ瀬司と申します。この度はご挨拶が遅れ」
「そんなことは堅いことは後にしましょ。それより腕を奮ってご馳走作ったの!さあ、中へ入って!」
お母さんは彼の話を遮るよう言う。
相変わらずというか、前より元気そうでよかった……
居間に入ると、懐かしいお母さんの手料理がたくさん並んでいた。

