sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜






「確か、実家は鎌倉だったな。」



一ノ瀬司はジャケットを羽織ると私を見つめる。



「夕方までには帰る、準備しておけ。」



彼はサラッと言うと、リビングを出る。



………それって、一緒に実家に行ってくれるってこと?


私は慌てて彼の後を追う。



「あのっ、いいんですか…」



ちょうど、玄関に向かうと靴を履いているところだった。



「いいも何も、俺を利用しろと言っただろ。」



ふと、偽装結婚の契約を交わしたあの時を思い出す。


『お前はこの契約で借金返済の為に俺を利用しろ。その代わり俺もお前を利用する。』



もう十分、借金返済の為に利用させてもらったよ……



「それに、ご両親に挨拶しておけば、周囲に偽装結婚だと疑われにくい。」



彼は準備しておけよ、と言い残し部屋を出た。


これから私は家族に嘘を吐く。


ごめんなさい。
勝手にこんなことをする娘でごめんなさい。