「そんな無防備な姿、旦那様以外見せちゃダメでしょ。」
なんて、古賀さんは私の耳元で囁くように言う。
耳にかかる吐息に、心拍数が上がってしまう。
や、やっぱりこの人は何だか危険だ。
甘く低い声に翻弄されそうになる。
間近で微笑む古賀さんはそっと私の頬に手を伸ばした……けど
「セクハラ。アンタそろそろ捕まるわよ。」
触れそうになった古賀さんの手を思い切り掴んで捻る細く白い手。
痛い痛い〜〜!と唸る古賀さんを床に投げ捨てると目の前の女性は手を払った。
「相変わらず力強いよ〜〜麗香さん。」
古賀さんは参った様子で起き上がる。
麗香さんと呼ばれた黒の巻き髪の女性は古賀さんなんて見向きもせず私に振り返った。
「貴方、さっき司と一緒にいた婚約者…?」
端正な顔によく映える化粧、黒の艶やかな髪は綺麗に巻かれていて。
スタイリッシュな動きやすい服装なのに着こなしはオシャレで、その様は出来るキャリアウーマン。
「は、はい!安藤梢です…」
綺麗な女性を目の前に思わず圧倒されていると、隣で古賀さんが口を開く。
「このちょっと怖そうなお姉様は、美山麗香(ミヤマレイカ)さん。圧倒的な経営管理能力は勿論、意見をまとめるのも上手で、女性初プロジェクトマネジャーなんだ。あ、ちなみにこのチームでは麗香さんが最年長!」
古賀さんの紹介に、麗香さんは怪訝そうに彼を睨みつける。

