「お疲れ様でしたー!お先に失礼します!」 仕事の制服から私服に着替えて、まだ残っている社員に挨拶をしてビルを出た。 もうすっかり秋だ。 肌寒い空気が心の隙間に滲みる… [仕事終わったよ。ご飯作りに行こっか?] 返事は分かってるけど、上田くんにメールを送る。 送って一分経たない内に返事が来る。 [お疲れ様。今日も大学に泊まるから、また今度よろしくね。] こうやっていつも優しくフラれる。 優しいところも好きだけど、たまには欲しがってくんないかな。 会いたくて震えてほしい。