オフィスにラブは落ちてねぇ!!

「メール…?もしかして彼女からですか?」

「いや…まぁ…そんな事より…。」

珍しく歯切れの悪い緒川支部長の言葉に、高瀬FPと峰岸主管は顔を見合わせニヤッと笑った。

「良かったですねぇ、支部長。」

「え?」

緒川支部長は高瀬FPの言葉に首をかしげる。

「頑張った甲斐があったじゃない、支部長。」

「なんの事だ…?」

峰岸主管からもよくわからない事を言われ、緒川支部長は眉間にシワを寄せた。

「支部長、バレバレよ。」

「支部長の気持ちに気付いてなかったの、菅谷さんだけですから。」

「……はぁっ?!」

思わぬ事を二人に言われ、緒川支部長は驚いて思わず大声を上げた。

「あんなにあからさまに意思表示してたら、誰でもわかります。」

「えぇっ…?!」

「菅谷さん、支部長にはあんなに素っ気なかったのに、支部長もめげずによく頑張ったわよねぇ。」

「いや…あの…えぇっ?!」

いつもとは違う支部長を見て、高瀬FPも峰岸主管も大笑いした。

「二人とも笑い過ぎ…。」

緒川支部長は照れ臭そうに頬をかく。

「金井さんはがっかりするわねぇ。菅谷さんと支部長のお見合い相手を探す楽しみが減って。」

「あれは確信犯でしょ?支部長に聞かせるためにわざと菅谷さんに聞いたって言ってたから。」

「もういいって…。それより仕事して。」

「今、やる事なくて暇なんです。里山さんの帰社待ちですから。」

高瀬FPがしれっとした顔で答えると、峰岸主管は楽しそうに笑いながら立ち上がった。

「私、そこのパン屋さんでラスク買ってきたの。お茶でも淹れましょうか。」

「僕、あそこのラスク好きなんです!美味しいですよね!」

高瀬FPも嬉しそうに立ち上がって、峰岸主管と一緒に休憩スペースに向かう。

緒川支部長はやれやれとため息をついた。

「支部長も一緒にいただきましょ!」

「ああもう…わかったから…。」

峰岸主管に手招きされて、緒川支部長は仕方なく席を立った。