オフィスにラブは落ちてねぇ!!

翌日。

愛美が遅めの朝食を取っていると、スマホのメール受信音が鳴った。

コーヒーカップを置いてメール受信画面を開く。


“愛美、おはよう。
今、支部にいます。
今日は思ったより早く
仕事終われそうです。
また連絡するよ。”


愛美は緒川支部長からのメールを見て小さく微笑んだ。

(支部長してる時でも、こんなメールしてくれるんだ…。)

一緒にいない時でも気に掛けてくれる事が嬉しい。

自分もまた、一緒にいない時もずっと“政弘さん”の事を考えている事が、嬉しい。

(早く会いたいな…。)


“おはようございます。
朝早くからお仕事お疲れ様です。
頑張って下さいね。”


愛美が返信すると、またすぐにメールが届いた。


“早く会いたい。
大好きだよ。”


ストレートな言葉に照れながら、愛美も少しだけ勇気を出して素直な気持ちを返信する。

本当はちゃんと声に出して言えたらと思う。

(“政弘さんが好きです”って…まだ言ってない…。)

名前を呼んで、好きだと伝えて、一緒にいたいと素直に言えば、“政弘さん”はずっとそばにいてくれるだろうか?



愛美からのメールを受け取った緒川支部長は、スマホの画面を見て思わずにやけてしまいそうになり、慌ててクルリと椅子を回して高瀬FPと峰岸主管に背を向けた。


“私も、早く会いたい。”


メールとは言え、愛美が初めて素直に気持ちを伝えてくれた事が嬉しくて、緒川支部長は何度もその短いメールを読み返した。

嬉しくて嬉しくて、ゆるんだ表情がなかなか元に戻せそうにない。

「あれ?どうしたんですか、支部長?」

高瀬FPが不思議そうに声を掛けた。

「いや…ちょっと。」

緒川支部長は慌ててゆるんだ口元を必死でひきしめる。