オフィスにラブは落ちてねぇ!!

愛美は朦朧としながら起き上がり、ふらつく足取りでキッチンに向かい、冷蔵庫を開けてミネラルウォーターのペットボトルを2本取り出してベッドに戻った。

水を飲んでもう一度横になろうとした時、アラームが作動して電源の入ったスマホが、メールの受信を知らせた。

センターに蓄積されたままだったメールを一度に受信したのだろう。

画面に受信件数が表示された。

“Eメール 29件”

“SMS着信通知 38件”

“留守番メッセージ28件”


愛美はメールもメッセージも確認せずにすべて消去して、またスマホの電源を切った。

(もう見る気力もない…。)



8時半を過ぎた頃、愛美はスマホの電源を入れて営業部に電話をした。

応対した営業部長に、熱があるので休むと伝えて電話を切ると、またスマホの電源を切って布団に潜り込んだ。

とにかく今日は、緒川支部長の声も聞きたくない。

メールを見る気力もない。

“ごめん”も言い訳も聞きたくない。

熱のせいで朦朧とする頭では、何も考えられない。

ただ、そっとしておいて欲しかった。