梨央さんの言葉を聞いているのか、いないのか。兄は私と梨央さんの背中を押しながら、強引にコーギーの中へと連れて行った。
「遠慮するな。座れ」
まるで自分家のようにそう言った兄は、自身も私たちの目の前のソファーに座る。
「遠慮なんてしないわよ。なんで私がこんなところに」
ぶつぶつと文句を言いながらも、兄の斜め前に座る梨央さん。
私は兄の前の、梨央さんとは反対側の斜め前のソファーに座った。
私はスマホを手に持つと、素早く七倉さんにLINEする。
雛子 [コーギーの中で待ってます]
梨央さんは、そんな私をじっと見つめていた。


