こんな綺麗な人を前に、返す言葉なんかなくて、俯き黙っていると、梨央さんが私の紙袋を見て、
「兄妹そろって、なんなの?その気持ち悪いトマト、流行ってんの?」
あきれたように肩をすくめた。
その時、コーギーの扉が開いて兄が姿を見せる。
「お、雛子。早かったな」
能天気な顔で笑う、兄。そんな兄にいらっとしつつ、リコピン星人を乱暴に押し付ける。
「サンキュー、雛子。今日は梨央も一緒か?」
紙袋をしっかりと抱きとめた兄は、驚くことなく、私の後ろにいる梨央さんに声をかけた。
「馴れ馴れしく呼び捨てしないで」
梨央さんは心底、迷惑そうな顔をした。


